Android IME戦線異状有り? Google日本語入力参入とShimejiのBaidu買収

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Android向けIMEといえばこれまで、ATOKかWnn系のほぼ二択状態。
ソニーエリクソンのデバイスならばPOBOXといったように一部別の選択肢をとれるスマートフォンもありますが、やはり上記2種類が強いですよね。

ここに、新たにGoogle日本語入力が加わってきました。Windows版をはじめとしたデスクトップ向けはかなり人気を誇っており、待望の登場と言っても良いでしょう。
またこの直前にはWnn系の人気IME「Shimeji」が中国検索サイトBaiduに買収されたというニュースも。

IME戦線異状有り!?

というわけで、一週間で2つの重大ニュースが流れた一週間でした。
これをIME戦線異状有りと言わずになんというか、という状況ですよね。

特に、Google日本語入力のAndroid版登場は日本語入力ソフトのパワーバランスを一気に突き崩す出来事と言えるでしょう。
15日に登場したばかりでまだ一夜明けたばかりですが、すでにマーケットのインストール数は「100,000 – 500,000」 という表示。日本のAndroid端末は約500万台程度だというふうに言われていますから、そこから考えると2~10%のユーザーがすでにダウンロード済みだと言うことになります。まったく、凄い注目度です。

マーケットのトップロゴ

実際の使い心地はなかなかのモノ
デスクトップ版でも優秀だ、ATOKにも肉薄する、と評されてきたGoogleIMEですから、その変換精度はオリガミ付。インターネット上のテキストデータを活用した辞書はスマートフォンでも相変わらず強力です。さらに、顔文字・絵文字といった部分でよりスマートフォンに最適化がなされています。
動作の軽快さも魅力のひとつ。予測変換の表示スピードなどはATOKよりもサクサクと軽快なのではないかという 印象さえ受けたほどです。

実はまだ名前の後ろに「BETA」がつくようにベータテスト版である様なのですが、正式版が末恐ろしくなるほどの完成度だと言えます。
入力方式が12キーフリックとQWERTYだけでいわゆる「携帯入力」に対応していないなど改良すべき点はいくつかありそうですが、すでに基本性能は文句の無いレベル。今後大きなシェアを得ることは間違いないのではないでしょうか。

http://googlejapan.blogspot.com/2011/12/android-google.html

Google Japan Blogのリリース


またもう一つのビッグニュースが中国の検索大手Baidu(百度)によるShimejiの買収です。
ShimejiはAndroid黎明期からある老舗中の老舗IME。 Open Wnn with Flick supportや Wnn PlusといったWnn系インプットメソッドはいくつかマーケット上にあるのですが、その中でもマッシュルームアプリやキーボードテーマなど、先進的な機能をどんどん実装してきました。 長い歴史と先進的な機能から、ヘビーユーザーを中心に今でも根強い人気・固定ユーザーをもっているのです。

それだけに、突然の買収騒動はAndroidファン界隈にショックを与えたようです。また、買収主がBaiduという一般人から見て”怪しい”印象すらある企業であったということもあって、インターネット上での反応も冷ややかなモノが多いように見えます。
にちゃんねるでは 『マッシュルームなど特徴的な機能は後発の優れたIMEに搭載されてきており、すでにその歴史的な意味を終えている』 というような辛口の意見も飛び出ており、かなり厳しい旗色。

一説によると数億円に上るという買収劇ですが、BaiduがShimejiをどう「煮たり」「焼いたり」して食べるつもりなのか興味深いところです。リリースによると同社のPC向けIME「Baidu IME」に統合していく様なのですが、そうなると「Shimeji」の名前が心配です。
せめて、固定ユーザーたちの期待を裏切りませんように・・・

さて、しかし気になるのはこの2つのニュースのタイミングの良さ。
13日にBaiduによるShimeji買収が明らかになり、その2日後の15日にはGoogle日本語入力BETAがリリースされています。
個人的には、Shimejiが買収されたことによってざわついている今の間にシェアをかすめ取ろうというGoogleの意思が見えるような気がするのですが…考え過ぎでしょうか。
14日にはGoogle日本ブログでの誤配信によるリーク騒動や、マーケット紹介文の「アプリケーション互換性問題、誤変換、未実装の機能を含め多くの改善点が残っています。」という自信の無い文面も、リリースを急いだ形跡・・・に見えないでもありません。
どちらにしろ、Google日本語入力にとって絶好のスタートタイミング、そしてBaiduに取っては出端をくじかれた格好になりました。

余談ですが・・・僕はGoogle日本語入力も試してみましたが、やっぱり今のところはATOKを使い続けることにしました。
Google日本語入力もなかなかの完成度で良かったですが、やはり変換精度などはATOKの方が上かなぁと。そして何より、僕の指はすでにフラワータッチに最適化されてしまっている・・・嗚呼、ATOKはなんて罪なヤツだろう。

Source : Google Japan Blog , マイナビニュース