Androidブラウザ徹底調査! 第三回 “Firefox for Mobile”

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Androidの魅力といえば、やっぱりアプリ選択の自由度ですよね。
iPhoneではMobile Safariしか選択できないブラウザですが、Androidなら様々な選択肢から選ぶことが出来ます。

しかしそうなってくるとどれを使うかはナカナカ悩ましいものですよね。
そういうわけで、Androidマーケットに数多あるブラウザをインタフェース・機能性・ベンチマークの3方面から徹底的に検証していきます!

for Mobile 6.0

さて、第三回の今回ではFirefox for Mobileを取り上げていきますよ!

FirefoxはMozillaチームによって開発されている、言わずと知れた超優等生ブラウザ。LinuxなどUNIX系OSの世界ではデファクト・スタンダードとしての地位を持っていることからも、そのポテンシャルを知ることができますね。

なんといっても採用しているエンジンの特性の良さが光ります。歴史あるGeckoエンジンは、Webページを正確に表示する能力に長けています。
また、アドオンによる拡張によって自分好みに染められるのもFirefoxの良いところ。自力で拡張可能なブラウザといえばFirefoxという時代があったほどです。

しかしデスクトップ版はChromeなどの新世代ブラウザの登場でその地位が脅かされつつあります。その苦戦を背景にFirefox for Mobileでスマートフォン市場にも殴りこみをかけてきたわけですが、ここは宿敵Webkitの巣・・・果たしてどこまで善戦できているのか!

その内容を見ていきましょう!

 

ユーザインタフェース

Firrefox for Mobileのデザインは黒を貴重としたキリリとした雰囲気で。インタフェース自体もかなり現代的な印象を受けます。
一言で「カッコイイ」という表現がぴったりです。

Firefox for Mobileの起動画面。

起動時のスタートページでは、Firefox Sync関係のスイッチや前回タブの復帰が目につきます。
タブの状態を復帰してブラウジングがまた始めることを選択できる部分は、他のモバイルブラウザには無いユニークな機能です。

ページ右側のメニュー
これは閲覧中のページをさらに右にスライドすることで表示されます。

ブックマークへの登録戻る進むの3ファンクションがここから操作できます。

同じく左側のメニューではこのようにタブ選択画面になってて、タップでタブ選択が可能です。

このようにページをさらに横にスライドしてメニューを引き出すスタイルはなんだか今っぽいですよね。かっこいい!

お気に入り履歴にもアドレスバーからアクセス。

特にお気に入りはよく使うファンクションですが、少し遠いところにあるイメージです。

 

機能性

Firefox最大の目玉といえば、やはりAdd-onが利用できるること。
デスクトップ版のFirefoxの様に、Add-onをで自分の色にカスタマイズできます。

やはりAdd-onを追加してカスタマイズするのがFirefoxの魅力であり正しい楽しみ方(?)ですよね! 

Add-onは画面へのアクセスは、メニューボタンを押してから右上の「Add-ons」をタップです。

先ほどのAdd-on設定画面でもアドオンが検索できましたが、同じようにこちらのMobile Add-onのページからでも検索可能。こちらではカテゴリなどでも検索できるので、何かを探したいときはコチラですね。
ポップアップ広告などを停止する“Adblock Plus”を追加してみましょう。追加するには「Add to Firefox」を押すだけと手軽です。 

追加後は最初の「Add-ons」に表示されるようになり、設定などを行うことができます。

もう一つ注目の機能は「Firefox Sync」です。

これは前回紹介したOperaの「Opera Link」と同じ様な機能なのですが、大きな違いの一つが「タブの共有が出来ること」ということ。
つまり、家を出発する前にパソコンのFirefoxで見ていたタブが、そっくりそのままスマホのFirefoxにコピーされてしまう機能なのです。これは想像しただけでもすごく便利ですよね。

これだけではなくページをPDF形式のドキュメントに出力することが出来るなど、とても多くの機能をもったブラウザだなぁという印象を受けました。

ベンチマーク

さて、最後のベンチマークです
Operaと同様に、標準ブラウザ(webkit)と比べながらその結果を見ていきましょう。

テスト名(リンクで詳細) ベンチマークスコア 標準ブラウザ(参考)
V8 Benchmark suite(v5) - 304
Sun Spider(0.91) 2612.4[ms] 4937.1[ms]
test rendering time 17.7[s] 67.1[s]
Standard page load test 2508[ms] 2994[ms]
Acid3 100/100 95/100

優れている項目は赤文字・各ベンチマークの内容は下記「各ベンチマーク説明」を参照

ここで一つ付け加えておきたいのは、このベンチマークを取るためにFirefoxは数回異常終了しています。
かなり不安定な印象を受けましたが、ベンチマークはあくまで3回完走した場合(検証環境は最下部)の数値をとっています。

また、V8 benchmark suiteの方はベンチマークテストを完走することができませんでした。タイムアウトの影響だと思われるので、設定によっては完走を目指せるかも知れませんが…

さて、しかしスコアとしては標準ブラウザよりも軒並み良い成績にはなっています。
ただ、Standard page load test以外はOperaのの方が優秀、または同点となっていますね。そういう意味では”Firefox爆速伝説!”とは言い切れないかも知れません。

しかし、Standard page load testの速さはかなりのモノ。実際のブラウジングでは速さを実感する機会が多いかもしれません。

総評

Firefox for Mobileは、高い拡張性やデスクトップ版との親和性の良さ、そしてGeckoエンジンでのブラウジングなど、非常に鋭い目線・コンセプトをもった持ったブラウザだと感じました。

特にAdd-onを持つ高い機能性は魅力です。オープンな仕様のAdd-onでいろいろな機能を追加できるというのは、ガッツりと使い込んでいくユーザには嬉しい機能です。
また、開いているタブまで共有出来るFirefox syncもデスクトップでもFirefoxを選んでいるユーザには見逃せない機能であると言えるでしょう。
インタフェースも、好みの問題もあると思いますが綺麗にまとまっていると思います。

しかし、そのコンセプトを活かすためにはもっと安定性が必要です。テスト中にも複数回ハングアップしていますし、そのうちの少なくないケースでAndroidを巻き込んで再起動・・・というパターンに入りました。
厳しいことを言ってしまえば、この状態ではマトモに使うことはできないというのが正直な感想です。(もちろん、端末との相性かもしれませんが…)
for Mobileがまだ正式リリースからはそれほど経っていない、比較的新しめの アプリだということを考えると、今後の安定化に期待したいところですね。

そういうわけで僕の結論としては、拡張好きやデスクトップ版Firefoxユーザーにとっては楽園になりそうだけれど、まだまだ発展途上。こんな感じの評価にしておきたいと思います。

各ベンチマーク説明

V8 benchmark suite : Googleが開発したJavaScriptベンチマーク。OSカーネルのシミュレーションや暗号化などの数学的に高度なシチュエーションが用意されているが、テスト内容としては実際のWebブラウジングには遠い。

Sunspider : WebkitProjectによるJavaScriptベンチマーキング。実際にブラウジングで発生すると思われる処理に焦点を当てており、V8 benchmark suiteよりもより実践的なテスト内容を持っている。

Test rendering speed : 非常に巨大なtable構造を表示させることで、HTMLを解釈する速度(=ページを画面に表示する速度)をベンチマークする。テキストやその構造が複雑なサイトに近いテスト内容。

Standard page load test : 上記のTest rendering speedよりもより実践に近い内容を持ったベンチマーク。テキストだけでなく、画像も含んだページの読み込み速度を計測する。

Acid3 : 次世代のHTML規格である「HTML5」への対応の良さを示すベンチマーク。Web Standard prohjectにより提供されており、標準への準拠していることが求められる。数値が高いほどページを正確に表示する力が高いと見なせる。

テストしたブラウザ

Firefox for Mobile 6.0.2-> Android Market

テスト環境と方法

ベンチマークやインタフェースの表示には、、SonyErricson Xperia acro(au版:IS11S)を用いた。 Android 2.3.3 / Snapdragon MSM8255  1GHz single core / RAM : 512MB / フルワイドVGA 854*480

ベンチマーク前にAdvanced Task Killerでメモリを解放し、その後5分間静置したのちにブラウザを起動して各種ベンチマークを実行した。また、各ベンチマークは連続して実行し、スコアは3回計測したうちで最も良い結果を採用した。