Androidブラウザ徹底調査! 第二回 “Opera Mobile”

                  takaaki_11092019

Androidの魅力といえば、やっぱりアプリ選択の自由度ですよね。
iPhoneではMobile Safariしか選択できないブラウザですが、Androidなら様々な選択肢から選ぶことが出来ます。

しかしそうなってくるとどれを使うかはナカナカ悩ましいものですよね。
そういうわけで、Androidマーケットに数多あるブラウザをインタフェース・機能性・ベンチマークの3方面から徹底的に検証していきます!

Opera Mobile 11.10

連載2回目の今回は、Opera Mobileを特集していきます。

Operaは知る人ぞしる老舗のブラウザ。あまり身近に感じることのない「Opera」というブランドですが、インターネット黎明期からの長い歴史を誇るブラウザで、常に他のブラウザよりも先進的な機能を取り入れ続けてきました。
FirefoxやChromeの便利な機能あれこれは、実はOpera発祥のものが少なくありません

そのモバイル向けであるOperaMobileもかなりの歴史、おそらくモバイルブラウザ最長の歴史を持っています。 Androidではあまり注目されない傾向にありますが、PocketPC, Windows Mobileはもちろん海外携帯、また国内でもauガラケーでも使われてきました。

さて、そんなOperaMobileですが、その長い歴史で磨かれた特徴やメリットはどんなところにあるのでしょうか。見ていきましょう!

 

ユーザインタフェース

長い歴史を経た中で、インタフェースもかなり磨かれています。 全体としてシンプルにまとまっており、玄人好みな印象をうけます。

ただAndroidの標準的なインタフェースに則っているわけではありませんから、そういう意味では少し戸惑う部分もあるかもしれません。

OperaMobileで本誌Smatchaを表示を表示させたところ。

デフォルトでは上部にアドレスバーと検索ボックス、下部にメニュー類が表示されますが、これらを電話機のメニューボタンを押すまで表示させないフルスクリーンモードも用意されています。
また、検索ボックスはGoogle以外のエンジンにもカスタム可能で、複数の検索エンジンを切り替えることも容易です。

右下の赤いOのアイコンをタップするとメニューが表示されます。

ブックマークダウンロードしたファイル他アプリとのShareへのアクセスはここから行います。

Opera Mobileでとても操作感が良いのはなんといってもこのタブの切り替え

画面下部に重なって表示されたタブをタップして選んでいきます。タブの切り替りかわりは、よほどたくさん開いていない限りはキビキビと動作します。

BookmarkはこのようにList viewから選択します。一覧性は高いですが、デザイン的に少し古めかしい印象を受けるかもしれませんね。

ブックマークは、もちろんですがフォルダで整理して管理することが出来ます。

 

機能性

OperaMobileの機能性はどうでしょうか?
プラグイン拡張は提供されておらずブラウザ自体の拡張の余地はほとんどありませんが、その分“Opera自体”が頑張っています。

今や一般的になったスピードダイヤルは、Operaが元祖でした。
起動時や新しいタブの作成時にこのように9面のリンクが表示できます。
よく訪れるサイトなどを登録しておけば、ブックマークを開くよりもずっと早くアクセスを開始出来ます。
また、OperaMobileで凄いのはその設定のキメ細かさ
「設定」メニューだけでなく、アドレスバーから「opera:config」と入力することで、通信方法から表示のカスタマイズまで、不必要なまでに細かい設定が可能なパネルが開きます。
デスクトップ版と同じく、隅から隅まで思いのままです。
ここで設定できる特に注目したい項目は「プロキシ」「User Javascript」の2項目。
プロキシを設定できるのはAndroidのブラウザとして唯一ですし、User JavaScriptはブラウザを使い込む玄人には使い慣れた拡張方法。 

もちろん、opera:configの各項目を使いこなすのは難しいですが…使いこなせば…!

この他に、Operaで忘れてはならないのが同期機能「Opera link」と通信速度改善「Opera Turbo」の2つです。

OperaLinkはスマートフォンやパソコンのOperaのブックマークやスピードダイヤルといった機能を同期することができます。デスクトップ版Operaを利用しているユーザなら見逃せない機能です。

もうひとつがOpera Turbo。こちらは少し独特な通信高速化技術で、回線速度が稼げない悪電波環境などで力を発揮します。Webページを一旦Operaのサーバーを中継させて画像やテキストを圧縮することで回線の負荷を下げ、ページロードの時間を短くするすることができるのです。

インタフェース自体のシンプルさとは裏腹に、機能性抜群なブラウザだと言えるでしょう。

 

ベンチマーク

さて、OperaMobileも前回の標準ブラウザと同じようにその性能をベンチマーキングしました。
標準ブラウザの結果と比べながら見ていきましょう。

テスト名(リンクで詳細) ベンチマークスコア 標準ブラウザ(参考)
V8 Benchmark suite(v5) 252 304
Sun Spider(0.91) 2447.0[ms] 4937.1[ms]
test rendering time 11.37[s] 67.1[s]
Standard page load test 3404[ms] 2994[ms]
Acid3 100/100 95/100

優れている項目は赤文字・各ベンチマークの内容は下記「各ベンチマーク説明」を参照

標準ブラウザと比べて優れているのは「Sun Spider」「test rendering time」「Acid3」の3項目ですね。

まずJavaScriptの性能を評価していきましょう。標準ブラウザと比べたとき、Sun Spiderで約2倍という大きな差を出していますが、V8では80%程度のスコアとなっています。 「V8」が競技的なベンチマークであることを考えると、実際の利用では標準ブラウザよりもOperaのほうがキビキビ動くと考えて良いかもしれません。

レンダリング性能の面では、なかなか面白い結果になりました。test rendering timeで6倍程度の大きな差をつけている反面、Standard page load testでは15%程度劣っているという結果になっています。
この結果だけを見て推測すると、 Operaは画像の表示に弱点がありそうです。テキストだらけのサイトならOperaMobile画像がたくさんのページなら標準ブラウザ(Webkit)が快適という風に見れそうですね。

また、Acid3で100点を叩き出している点にも注目です。OperaMobileのPrestoエンジンはHTML5の理解力が非常に高いことで有名で、WebPやWebMといった新しいフォーマットを利用しているサイトでさえも閲覧可能です。

 

総評

ここまでOperaMobileを見てきて、つくづく思ったのが「やはり玄人向けだなぁ」ということ。
スマートフォンが一部のギークのためのツールだった時代から脈々と続いてきたOperaの遺伝子は、今でもギークらしさを残した”玄人好み”な味付けです。

インターフェースはスワイプでメニューが飛び出すなど奇をてらった部分はひとつもなく、全ての操作がタップとロングタップで完結します。
まったく、玄人好みのシンプルさですよね。

機能面では他のスマホブラウザの中で一番「デスクトップ版」に近く、ブラウザとしてのコアはほぼそのままです。(設定の細かさまで一緒です。)
OperaLinkも多数の端末を持ち歩く人向けで、やはりここでも「OperaMobileは玄人向けか?」と思わずにはいられません。

今使っているブラウザがややこしい!もっとシンプルで素早く、やりたいことができるブラウザがほしい!
そういう人にこそおすすめな ブラウザだと感じました。

 

各ベンチマーク説明

V8 benchmark suite : Googleが開発したJavaScriptベンチマーク。OSカーネルのシミュレーションや暗号化などの数学的に高度なシチュエーションが用意されているが、テスト内容としては実際のWebブラウジングには遠い。

Sunspider : WebkitProjectによるJavaScriptベンチマーキング。実際にブラウジングで発生すると思われる処理に焦点を当てており、V8 benchmark suiteよりもより実践的なテスト内容を持っている。

Test rendering speed : 非常に巨大なtable構造を表示させることで、HTMLを解釈する速度(=ページを画面に表示する速度)をベンチマークする。テキストやその構造が複雑なサイトに近いテスト内容。

Standard page load test : 上記のTest rendering speedよりもより実践に近い内容を持ったベンチマーク。テキストだけでなく、画像も含んだページの読み込み速度を計測する。

Acid3 : 次世代のHTML規格である「HTML5」への対応の良さを示すベンチマーク。Web Standard prohjectにより提供されており、標準への準拠していることが求められる。数値が高いほどページを正確に表示する力が高いと見なせる。

テストしたブラウザ

Opera Mobile 11.10(build:ADR-1109081720) -> Android Market

テスト環境と方法

ベンチマークやインタフェースの表示には、、SonyErricson Xperia acro(au版:IS11S)を用いた。 Android 2.3.3 / Snapdragon MSM8255  1GHz single core / RAM : 512MB / フルワイドVGA 854*480

ベンチマーク前にAdvanced Task Killerでメモリを解放し、その後5分間静置したのちにブラウザを起動して各種ベンチマークを実行した。また、各ベンチマークは連続して実行し、スコアは3回計測したうちで最も良い結果を採用した。